「聞き捨てなら無いな」

彼は一言そう吐いた。



[勇者と魔王]



「は?」

Level100の勇者は、その言葉の意味が良く分かっていなかったらしい。

「君、私が変身するとか思っただろう?」
「うん」

Level100の勇者は在り来たりが好きのようだ。

「変身なんて、出来る訳ねーだろ」
「え゛ぇ〜〜!」

Level100の勇者は不満がった。
魔王は目を伏せて言った。

「幻想抱いてんじゃねーよ。バーカ」
「うっさい。死ね!」

Level100の勇者は剣を振るった。
魔王はひらりと避けた。

「うっわ。遅いな、君……」
「何を! 俺はLevel100なんだぞ!最高Levelなんだぞ!」
「……ぶはっ!」

魔王は思わず吹き出した。

「何言ってんだ。最近のRPGじゃ、Level100なんて序の口だぞ?」
「嘘?!」
「この世界の魔物最高Levelは∞だし、人間ではLevel1000が最高だよ?」
「え゛……」
「あ、ちなみに俺はLevel777のラッキーセブンだ。」
「知らねぇよ。」

魔王はくつくつと笑う。
Level100の勇者は怒っている。

「とりあえず、出直しておいで。見逃してあげるから。何なら見送ってあげようか?」
「いらねぇよ。バーーーカ!!!」

Level100の勇者は[移動の札]を使った。
魔王の前には誰も居なくなった。

「……女の子なのに“俺口調”はどうかと思うよ」

魔王は仕事をするために自室に戻った。


ってか、魔王がいても平和だ。



頑張れLevel100の勇者!
頑張れLevel777の魔王!




−強制終了−




作品ページ勇者と魔王2
20040613